西に傾いてゆく冬の星座に月と木星 春分の日

3月20日 夕刻の星空 20:10

撮影条件:EOS X9, Tokina AT-X 107魚眼レンズ,10mm F3.5, ISO800, 三脚固定、10秒ごとに5秒露出×10回、比較明合成後コントラスト調整。

 この日は強風が吹き荒れて、星がギラギラとまたたく透明度の良い空でした。明るい月があったのですが、つい瞬く星たちに誘われて魚眼レンズで写してしまいました。

星の名など

 全部で9個の1等星と月と木星がならぶ豪華な夕空です。正確には双子座のカストルは1.6等星なので四捨五入では2等星。ですが、双子の兄弟ボルックスと差をつけるのも気が引けるのでおまけ1等星と言うことで。月明かりと名古屋の街明かりで明るい空なので天の川などはみえませんが、星座を形作る主な星は写っています。それにしてもさすが魚眼レンズ(対角魚眼)、視野が広い。

和名 野尻抱影「日本の星」より

 

 日本では、明治以降の、西洋にキャッチアップするという歴史的慣習のために、星の名は西洋名で呼ぶことが通例となっていますが、古くから日本で呼びならわされた和名があります。和名は各地につたわる生活に密着するものが多く、日本の場合は季節や方角の目印に使う関係なのか、星のならびに対して名付けられていることが多い様です。野尻さんの本には、各地で収録された色んな和名が紹介されています。ここに載せたのはその一部。冬の星座は目立つものが多いため呼び名もいろいろとあります。

 個人的にはオリオンの三つ星を挟んで対峙する赤色(赤旗)の平家星(ベテルギウス)と白色(白旗)の源氏星(リゲル)の対比には感心します。オリオンが出てくるときには、ほぼ垂直に立つ三つ星を挟んで平家星と源氏星がほぼ真横の位置で同じ頃に登ってきますが、沈んでゆくときには、歴史的な勝利者である源氏星が先に沈み、平家星が名残を惜しみながら沈んでゆく姿には風情があると思います。