夕方暗くなって星がよく見える時刻にはもうカノープスが南中を過ぎている様になってきて、夕方の空にカノープスを見るのもそろそろ終わりかも知れないと思い、良く晴れた昨夜、再度田んぼで撮影にチャレンジしてみました。
撮影条件:EOS X9, 18mmF3.5, Kenko 光害カット/星座強調フィルター, ISO1250, 三脚固定, 露出 5秒+間欠2秒を12回連続。手ぶれ補正OFF,ピントは液晶モニターのルーペ機能で拡大して手動合わせ。後処理で比較明合成。
前回に比べてまだ夕方早いので、工場や建物に光があったり、帰宅してゆく自動車のヘッドライトの光で照らされたり、中部空港への飛行機の発着が頻繁だったりと、結構明るい夕景でした。それでもカノープスにはお目にかかれました。
右下の方の明るい点線は中部空港に発着する飛行機の軌跡です。それ以外にも飛行機の軌跡はいくつか写っています。やはり私の辺りは光害で空が明るいです。今回は光害カットと星座強調の機能を持つフィルターを装着していますが、星座強調の機能(点光源をソフトにぼかす)は地上の明るい光に対して裏目に出ています。
13年前の3月11日の夜、被災地では地上に人工の光がなく、空は満天の星空であったと聞きます。被災者の皆さんには未曾有の天災とあわせて無情の星々と映ったのではないでしょうか、今後我が身に降りかかるであろう東南海地震のこともあり、この時期、星好きとしては複雑な思いでこの光害の空を見上げています。
1分半程度の露出の間のカノープスの動きです。カノープスの左の光斑は右下の工場(多分)の明るい灯火のゴースト。
ポン・ブルックス彗星
周期70年のポン・ブルックス彗星が戻ってきています。太陽に最も近くなるのは4月20日頃。昨夜は6等星ぐらいの明るさのはずでした。周期70年と言うことで今度戻ってくるのは世紀末です(はたして子孫たちは無事にすごしているでしょうか?昨今のご時世、心配は尽きません。)。今のデジタル一眼なら、この光害の空でも写るかも知れないと思い撮影してみました。適当に写して後から探す作戦。
この辺は目立った1等星などはない秋の星座。
目的としたポン・ブルックス彗星とアンドロメダの大星雲(メシエ31)を確認出来ました。望遠鏡や赤道儀を使えば尾っぽを引いたきれいな姿を写せると思いますが、こんなシンプルな撮影でも、その姿を確認出来ました。
最近このあと老眼や白内障などが進むと星も楽しめなくなるなあと思っていたのですが、この方法なら老眼がすすんでも、名古屋の光害の空でも、なんとかなりそうな気がしてきました。もう少し工夫してみるかなと思っています。