6月19日に用水路で採集してきた卵のその後です。
全体に黒くなってきた。まだおなかの卵黄が大きくてまっすぐには浮かべない。魚とわかったので20匹ほど残してあとは水路へ戻すことにする。
浮き草が集められていて、その上に卵が産み付けられていた。水路の右は隣の田んぼ、左は我家の果樹畑。
調べたところ、このような巣を作る可能性のあるのは雷魚(*1)のようだが・・・
真っ黒になって、卵黄も小さくなりまっすぐ泳げるようになってきた。むなびれが見えてきた。
眼の位置に白い模様が出てきている。黒装束に白い眼鏡の忍者?
こちらも目の位置に白い模様が出てきたが、水路の稚魚に比べると成長に差が見え始めている。水路にはたくさんのミジンコなどプランクトンがいることを確認しているので、食糧事情にかなりの差があると思われる。水路にすべて戻すことにする。
あちこちに分散していたのが1~2か所に集まって集団になっている。白い眼のような模様がぎっしりで、これまでに見たことの無いような蜜状態になっている。
この集団を撮影していた時に、この集団から少し離れた水底に大きな魚影(魚の顔)があり、こちらをにらんでいることに気づき、思わず後ずさり、隣の田んぼに落ちそうになりました。体長50㎝程の雷魚です。こんな至近距離でごっつい魚ににらまれるとは・・怖かった。
観察結果から、今回の卵は雷魚(ライギョ:カムルチー)の卵という事が明らかになりました。雷魚はこの時期、浮き草を集めてドーナッツ状の巣を作り、その中に分離浮性卵を産卵。雌雄は浮き巣の下で見守り、稚魚を保護・育成するとありますが、まさにその様子を観察していることになります。雷魚が子を保護するのは知りませんでした。このあとどう展開してゆくのか?しばらくの間観察しようと思っています。
(*1)雷魚は大正末に朝鮮半島から持ち込まれた外来種です。2015年までは要注意外来生物に指定されていましたが、現在はリストから外れています。ですので飼育はできますが、愛知県では雷魚は移植(他の水域へ生きたまま放流すること)禁止対象ですので、他の水域へ放流することは禁止です。元の水路へ戻すのは可という事で、兄弟たちがたくさん群れているうちに戻すことができたのはよかったと思っています。