田には5月8日ごろより水が入り始め、代かきが5月15日の日にほぼ終了した形になりました。15日の日に田の一つから水を採取して微生物を観察。
サンプリング方法:小型のPETボトルを用いて、サンプルを採取する場所で一気にぶくぶくぶくと水を採取。持ち帰って観察。
(注:動画では微生物が動き回ります。見たくない、気持ち悪いという人は再生しないでください。)
小型PETボトル(太さ4.5㎝程度)の中
たくさん動いています。小さいのはタマミジンコ、大きいのもいます。大きい方にはカイエビもいます。
水を簡易シャーレ―(市販のワサビ漬けの入れ物アクリル)に少し垂らしたところ
この状態で40倍の顕微鏡で観察
顕微鏡のピントが合う範囲(被写界深度)の関係で、ぼけたものも多数あります。しかも素早いのでなかなかじっくり見れません。
そこでスライドグラスとカバーグラスでサンドイッチ
ちょっとミジンコには申し訳なかったのですが、ガラスで挟み込んで動きを止めて撮影してみました。(表面張力でガラスどうしが引き合って、ミジンコを押さえつけてます。)
ツリガネムシが頭部や尾部にくっついてます。
動き回ることのできるミジンコにくっつくことによって、餌のたくさんあるところへ運んでもらえるという事でしょうか。コバンザメみたいに?
ミジンコがらみで少しさかのぼりますが5月11日の試験採取の時の観察。
タマミジンコ 大きいのと小さいの
湛水から数日であったにもかかわらず大きなミジンコがいくつかいて、これが緑色の毛を生やしているように見えます。小さい方のミジンコが一匹動き回っていますが、静止したところをみると、ウサギの様に耳が生えている?またやはり甲殻を持っているように見えます。
タマミジンコにくっついている緑藻類とツリガネムシ
色がわかるように照明を少し調節してみました(入射光の角度広がり(NA)を広くした)。緑の毛は緑藻類の様です。おしりの方にツリガネムシをつけていますが、ビデオでははっきりとは写し取ることができませんでした。
カイエビ
狙いを定めて割りばしを接近させて毛細管現象をつかって吸い取り、簡易シャーレ―に滴下してセット。貝のような二枚の甲殻の中にいます。個体数密度は低いです。PETボトル中に数百匹いるミジンコに対して、1~2匹。
こうやって観察してみると、田の潅水初期にはタマミジンコが大量発生しており、その後それを餌とする?大きめの連中が出てくるものと推測されます。メダカ鉢で見られたような植物性プランクトンはほとんどいませんが、田には切わらや蓮華などの有機物は大量にあります。カイエビは比較的小さなものが初期からいます。この後田の中で5㎜ぐらいに大きさになって、畔からでも容易に認識できるようになります。
以上が5月15日採取分の小まとめです。
5月18日には、ホウネンエビとカブトエビを採取しています。稿を改めて紹介します。