拡大して見ると世界は違って見えてきます。面白いです。
いずれも15㎝反射経緯台(口径150㎜、焦点距離1270㎜、西村製作所)の直焦点撮影。この望遠鏡との付き合いは1974年から。来年で50年になります。普段は双眼装置(約150倍)をつけて、両目で月面散歩を楽しんでいます。昔から星好きは月に始まり月に終わると言います。最近はかけ際のクレーターのガリガリした陰影が特に面白いと感じています(終わりに近づいてきた??)。陶芸家は作品の焼き上がりの様子を風景と呼んで楽しむと聞いていますが、まあそれに似て隕石の衝突具合や、火山活動の具合、日の当たり具合で変化に富み、特に大気の揺らぎが少ない時の月はいつまで見ていても見飽きません。デジカメで簡単に写せるようにはなりましたが、像の先鋭度や臨場感は目で見るに限ります(写真の腕が悪いという事もありますが)。
見ていると、かけ際のクレーターの壁や頂に日が当たり光を放ちはじめるさまは、ヒマラヤの高峰の頂に朝日や夕日が当っている様を彷彿とさせてくれます。クレーターや地形には欧米の先人たちがつけた主に人の名が付けられていますが、あまりピンとこないので、うさぎのおしりの海とか、おしっぽの入江とか、だいだらぼっちの尻もち山、などと適当に思いついた名をつけて楽しんでいます。
ではありません。月を撮影していたときにマニュアルモードにしていたのをすっかり忘れて撮った昼の露出不足のクチナシです。これはこれで面白かったので拾っておきました。この写真でTTL測光しかなかったマニュアル時代の写真撮影の面白さを思い出しました。