随分古い話ですが、1978年10月2日、太陽が欠けたまま西の地平に沈んでゆく日没帯食がありました。その時の画像です(撮影地:信州松本)。中心から少し右にずれた場所に太陽黒点。もう一個左のふち近くにも見えています。低空なのでクリアーではありませんが。
山は松本の西山。北アルプス(常念山脈)の前山、鍋冠山から南に続く標高2000m程度の山稜です。生えている木々のシルエット。周辺にみえる白い斑点は、いくつかはゴミですが、秋の空に群れ飛んでいたトンボの羽のきらめきも入っています。夕日に照らされてたくさんのトンボの羽がオレンジ色にきらめくさまを今でもありありと思い出せます。いまでも秋になればたくさんのトンボが舞っているでしょうか?
黒点も隠れてしまいました。
だいぶ沈んできました。木々のシルエットの移動具合から右斜め下に沈んで行く様子がわかります。
最後の一閃。狐の耳がのぞいているように見えています。
そして日食は終了。
あれから45年。一緒に観測した仲間も定年退職のころ。長らく連絡を取ってない仲間も多いけれども、元気でやっているかな。この45年、どんな人生だったでしょう。
撮影機材:確か口径65㎜F15の望遠鏡、直焦点撮影。カメラ:忘却。フィルム:ネオパンSS(白黒フィルム)。