ゼロメートルからの山 鈴鹿・養老・伊吹 5月24日

 ゼロメートル地帯は山と無縁と思われるかもしれませんが、大気が澄んでいると、西から北をとおり東へかけて、鈴鹿山脈、養老山地、伊吹山能郷白山、加賀白山、乗鞍岳、御岳山、中央アルプス、恵那山をぐるっと見渡すことができます。今朝は、雨と強風で大気が澄んで、 鈴鹿山脈、養老山地、伊吹山方面を見渡すことができましたので、少し紹介します。

田植え前の田の向こうに鈴鹿山脈

 鈴鹿の山は標高1000m程度。この山脈に沿って、濃尾平野側に鈴鹿断層が走っています。この田のあたりは今週末あたりが田植えです。

その北側に養老山地、伊吹山

 養老伝説で有名な養老の滝がある山地です。ここも濃尾平野側に山地に沿って養老断層が走っています。

 こちら側(濃尾平野側)の地層が山脈・山地に向けて傾いて沈み込んでいます。山脈・山地側との地層の食い違いは高さ3000mに及ぶと言われています。その低いところを木曽三川(きそさんせん。揖斐川長良川木曽川)が流れており、三川が削って運んできた土砂でこの食い違いを埋めて濃尾平野を作っています。

主要山岳の拡大写真を次に示します。

鈴鹿南部。中央左の三角形のとんがり帽子:鎌ケ岳、
低くなったところをはさんで中央右の最初の高みが鈴鹿最高峰:御在所岳

 この辺は花崗岩の山です。御在所岳のふもとには湯の山温泉があり、頂上へはロープウェイで行けます。

御在所からすぐ北側  高圧鉄塔のすぐ左が釈迦ケ岳

鈴鹿北部 写真左側のこんもりした高まりが竜ケ岳。鉄塔左の禿げた山が藤原岳

 藤原岳は花の種類が多い山ですが、石灰岩の山で、東面ではセメントの採掘が続いています。

鉄塔の右側にこんもり続くのが養老山地 鉄塔の直右あたりが多度山(たどさん)

 ふもとには上げ馬神事で有名な多度大社があります。養老山地が南に(鉄塔左あたり)途切れるあたりにハマグリで有名な桑名の街があります。養老山地は標高をあまり変えないで北へ続きます。

養老山地が途切れた北側(写真中央少し右)にこんもり見えるのが伊吹山

 養老山地が切れたあたりの濃尾平野側にあるのが大垣の街。伊吹山の南側にある切れ目にあるのが関ケ原東海道新幹線はこの切れ目を通っています。冬になるとこの方向から伊吹おろしと呼ばれる木枯らしが吹いてきます。伊吹山も花で有名な山ですが、やはり石灰岩の山で、西面でセメントの採掘がおこなわれています。

 秋、冬にはまた違った姿を見せます。視界が良い時に時々紹介します。

 

次は昨日紹介した金星と月の会合です。良い天気でした。

5月23日の金星と月の会合 左金星、右月齢3.8の月

Kiss X9+270㎜望遠

ふたご座のポルックス(左上)、カストル(右上)と金星・月
望遠100㎜程度

 地球の反射光で月の影の部分が照らされている地球照が見えています。カストルポルックス以外のふたご座の星もぽつぽつと見えています。

 昨日はアオバズクあるいはフクロウの目に見立てましたが、カストルポルックスとほぼ正三角形の位置にあるふたご座の星を加えると、カマキリ、蝉、あるいはバルタン星人のようにも見えますね。